エイプリルフールという名前のヨット

4月1日は言わずとしれたエイプリルフールですが、半世紀ほど前のいまごろ(1968年3月29日)、エイプリルフールという名前のヨットがアフリカ・モロッコからアメリカに向けて出発しています。

特筆すべきはその大きさで、なんと全長5フィート11インチ(約1.8m弱)。
こちらがその写真。
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自分の身長より短い船で4100マイルを84日かけて走り抜き、当時の大西洋横断の最小艇記録を作りました。
当時のニューヨークタイムズの記事
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(著作権の関係で、これはクリックしても拡大しません)。

正確には、フロリダまであと10キロ弱というところで、潮流と風のためどうしても陸に到着できず、沿岸警備隊の船で運んでもらっています。

記録を作ったヒューゴ・ヴィレンは当時、デルタ航空の副操縦士で、37歳。
この船は、現在もバージニア州の海事博物館(マリナーズ・ミュージアム&パーク)の小型艇のコーナーに現物展示されています。
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速度を計算すると、平均2.2ノット、人が歩くくらいのスピードなので、帆走するというよりは東よりの貿易風に押されて進んだという感じでしょうか。マスト下部からウィスカーポールのようなものを左右に2本突き出して、ツイン・ジブのようにして帆走したようです。

(航海記からの一部抜粋)
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1968年4月26日-海上
出帆して今日で4週間たった。髪を切ることにした。ハサミをとりだしてバウに行き、切った髪の毛がコクピットに落ちないよう身を乗り出した。20分ほどかかったが、悪くないできだ。それから命綱をつけて海に飛びこんだ。4週間ぶりの入浴。

1968年6月9日-海上
とんでもないことになった。トイレットペーパーがきれてしまった。運のいいことに、リーダーズダイジェスト誌がまだある。
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それからさらに四半世紀後の1993年の秋、還暦をすぎた彼はまたも大西洋横断に乗り出します。船名はファーザーズデイ(父の日)号。全長はさらに短くなって5フィート6インチ(最小艇記録でライバルに負けないよう、最終的にはもっと切り詰めて、5フィート4インチ)。こんどはカナダ側から115日かけてイギリスに渡ったそうです。
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この写真は当時のあちらのヨット雑誌でリアルタイムで目にした記憶があります。

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